病院にとってのおいしい患者
病院経営を支えている患者
おいしい患者とは
病院経営を支えるおいしい患者
薄利多売を支える患者
こちらで患者を3つのカテゴリーに分類しましたが、それぞれの状態が、現代医療で具体的にどう扱われているのでしょうか?
医院や病院が「薄利多売」の危うい状況下にあることは述べましたが、その経営者ならば、どのように考え、どのようにふるまうでしょうか。
まずは前提として、自身の生活だけでなく、従業員やその家族の生活の安定を保障する責務が、自分への大きな制限になるでしょう。したがって経営を安定させることを第一に考えざるをえません。いかなる理想があろうと、それが安定を確保するだけの収益を生まなければ、それは選択肢として外さなくてはなりません。
医療機関の経営者が、経営を安定させるためにまず考えるのは、患者さんの確保です。しかも、医者がいなくても治る患者さんをどれだけ確保できるかが経営安定化のための最優先事項となります。カテゴリー1の患者さんをできるだけ多く集めることです。そしてカテゴリー2は宣伝用に活用するためにある程度の数を、そして、カテゴリー3はできるだけ避けるようにするでしょう。なぜなら命にかかわる患者さんは対応に大きなエネルギーを要しますし、仮にうまくいかなかった場合には、悪いうわさが立ってしまいます。
なんと言っても一番おいしいのはカテゴリー1の患者さんです。カテゴリー1の患者さんは、ほとんどが慢性疾患ですので、うまくすれば、ずっと通ってきてもらえます。すなわちリピーターになってもらえる「上得意客」なのです。しかもカテゴリー1ですから、原則的には命にかかわることもありません。かといって慢性疾患ですから、ずっと薬を処方し続けても法的にはなんら問題は生じません。決してトラブルになることもないでしょうから、医療裁判に巻き込まれるリスクもないということです。