不安と弱気に負けない自分をつくる

誰の心の中にも弱気と不安は潜んでいる

弱気と不安に負けない方法

偉大な成功者であっても弱気と不安を克服している

自分の可能性を引き出す「無意識」を味方にしよう

誰の心の中にでも、不安と弱気はひそんでいるもの。英雄や世の中の成功者だって、例外ではありません。

では、どこに違いがあるのでしょうか。それは「自分の可能性を信じた」かどうかだけの違いだと、思います。言いかえれば、いつもプラス思考で生きるか、マイナス思考で生きるか、ということです。

「どうせできっこない」「また失敗するかも」とささやく無意識にどっぶりつかっていれば、安全に立ちまわって自分の能力を発挿できなくても当然。反対に、ダメだと思っても「でも、きっとだいじょうぶ」「ダメもとだもの」「いつも運がよいから」と無意識がささやいてくれたら、自分でも思いがけない能力を発揮できる可能性があるのです。

いつも自分を信じて感謝して暮らしていると、知らないうちに無意識がプラス思考をするクセがつきます。本当に落ち込んでしまったときには、意識的にプラス思考をしようとしても、できないことが多いのです。そんなとき力になってくれるのが、無意識の中にひそんだプラス思考。そっとあなたの背中を前向きに押してくれることでしょう。

無意識は、もう1人のあなたなのです。ですから「内なる自分」を敵にするか味方にするかによって、生き方が大きく変わってきます。つまり、プラス思考はあなたをサポートしてくれる強力な助っ人というわけです。

逆に、前向きに努力しているつもりなのに、知らないうちにマイナス思考をインプットしていたため、もがけばもがくほど泥沼にはまっていった、こんなケースがあります。

40歳のEさんは小児科の医師。子どもの頃から神経質で完壁主義者でした。いまは大学病院勤務ですが、近々、医院を開業する予定で準備を進めているところです。子ども好きのEさんは、子どもの気持ちを敏感にキャッチできて人気があるのですが、実は保護者の相手が大の苦手でした。優等生だった学生時代に大勢の前で緊張のあまり話せなくなった体験があって、それが本人にとっては大きな恥辱となり、以来、対人関係にまったく自信が持てなくなっていたのです。

なんとかしなくては今後の生活に関わります。そこで、以前読んで気持ちが楽になった本の著者である、著名な精神科医のクリニックに3ヶ月間通うことにしたのでした。

ところが、きっとよくなると信じて通ったのに、なんだかどんどん気分が落ち込んでいきます。また、以前はたまにしか起こらなかった手のふるえが日常化して、子どもだけに接しているときにも止まらなくなったのです。友人の紹介でわたしのところに来たときには、すっかり自信をなくしていました。

原因は、ほどなくわかりました。そのクリニックでは「まず一番失敗した場面を思い描き、それがだんだんに改善されてふつうの状態になるようにイメージしてください」という指導を受けたのだそうです。つまり、イメージするたびに、自分のマイナス要素をたくさん確認し、それをひとつずつ消去していくという手法のイメージ・トレーニングでした。

これでうまくいく人はよいのですが、E さんの場合はイメージするたびに自分の欠点と向かい合って、マイナス・イメージを心に刻みつけていくことになったようです。無意識のうちにマイナスの暗示にかかっていたわけですね。

同じイメージ法でも、今日はこれができた、次にはあれができた、とプラスを積み重ねる方法をご指導したところ、徐々に自信を取り戻していきました。

また、もともとプラス思考の人にイメージ・トレーニング法を、たった1回・2時間ほど指導したところ、驚くほど効果があがったこんなケースもお話ししましょう。33歳の女性Oさんはもともと上昇志向が強い人だったのですが、頑張っても昇進の見込みのないOL生活をさっさとあきらめて、化粧品会社に再就職しました。売上を上げるほど報酬が増え、また昇進のチャンスも用意されている職場のため、働きがいがあったのです。

その会社主催の会で私の講演を聞いたのをきっかけに、Oさんは訪ねて来ました。そして、「どうしても35歳までに、営業所長になりたいのです。そのための努力はおしまないつもりですがイメージトレーニングを取り入れたい」というのです。

お話を聴くと、その会社では半期ごとに昇進の発表があり、営業所長になった人は全社員を前にしたステージ上で花束を授与されるのだそうです。Oさんの脳裏には、その場面が、まるでたったいま体験していることのようにハッキリと浮かび上がったのでしょう。

その映像は、ステージ上の自分の姿を見ているという視点のもの(アウター・イメージ)でしたので、同時に、そのときの自分の目から見える情景(インナー・イメージ) も思い浮かべるようにすると、より効果がありますよ、と言われました。

たった一度きりの人生です。失敗を恐れながらビクビクして生きるよりも、自分の力を信じて大胆に道を切り開ければどんなに素晴らしいでしょうか。

自分の殻 を破り、心の中のマイナス要素を一気に解消

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