アレルギーやうつは腸内細菌の減少が原因
味噌が体に与えるよい作用
アレルギーやうつは腸内細菌の減少が原因
現代人の腸内細菌はかなり減っている
腸内には、おびただしい数の腸内細菌がいます。その数は約100兆個といわれていましたが、最近、約1000兆個に及ぶことがわかりました。測定法も、培養して測る従来の方法ではなく、遺伝子で測る方法が確立されました。
腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、そのどちらでもない日和見菌があります。そして腸内細菌の大部分を占めているのは、日和見菌なのです。善玉菌や悪玉菌は、全体から見るとごくわずかなのです。
さらに最近の研究でわかったのは、どんな菌がどのくらいいるかという腸内細菌の割合は、生まれて1年くらいで確定し、以後、一生、その割合は変わることがないということです。
そして、腸内細菌の割合は、指紋のようにその人特有のものなのです。
生後1年で腸内細菌の割が決まってしまうと聞くと「それでは善玉菌を一生懸命とっても…今さら?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、そんなことはありません。個人個人、腸内細菌の種類構成は一生ほとんど変わりませんが、体調などにより量的な割合は日和見菌の加勢があり常に変化しているからです。
腸内細菌の大部分を占める日和見菌は名前のとおり、勢いの強い菌に影響されて性質を変えます。日和見菌が豊富にあるとき、積極的に善玉菌を取れば、腸内の善玉菌が活性化され その影響で日和見菌は善玉の性質を持つようになります。
- 病気を起こす有害な菌を追い出す
- 人体が分解できない食物繊維などを分解して消化を促す
- ビタミンB群やCを作る
- 幸福感をもたらすセロトニンやドーパミンのもとを作る
- 免疫細胞の70%をつくる
- 有害な活性酸素を抑制する
一方、こうした腸内細菌の働きが十分に発揮されないと、消化器の病気や不調、感染症、アトピーや花粉症といったアレルギー疾患、うつ、そしてガンや生活習慣病などを起こすリスクが高まります。
そして今、多くの現代人の腸内細菌は、まさにこのリスクが高い状況にあります。というのは、腸内細菌の絶対数が少なくなつているからです。
腸内細菌はとてつもない数が存在するのですが、それでも戦前の日本人と比較すると、現代人の腸内細菌の量は、わずか3分の1に過ぎません。
現代社会でアレルギー疾患やうつ、ガンや生活習慣病などが増えている一因は、腸内細菌の大幅な減少にあると考えられています。
善玉菌を豊富に含み活性酸素を撃退
腸内細菌のエサである食物繊維の摂取量、その代表的な供給源である野菜の消費量も戦前の3分の1になっています。
腸内細菌が減った第一の理由は、この「エサ不足」です。同時に、ストレスや大気汚染、有害な電磁波、食品添加物などで、体内の活性酸素が多くな叶過ぎたことも、腸内細菌を痛めつlナて減らしています。
では、減った腸内細菌を増やして、病気を予防し改善するには、どうすればいいのでしょうか。最も手軽で効果的なのが、みそを習慣的に取ることです。
みそは、大豆の発酵食品です。納豆やしょうゆも大豆の発酵食品になりますが、みそは、乳酸菌だけでなく、酵母菌やこうじ菌といった善玉玉菌をたっぷり含んでいます。
腸内細菌の割合自体は変わりませんが、腸内細菌全体の量は底上げすることができます。
しかも、みそは善玉菌を豊富に含むため、量が増えた日和見菌を善玉化することができます。
その上、みその褐色のもとになっているメラノイジンという物質には、強力な抗酸化作用(活性酸素を消す作用)があります。そのほか、みそにはダイゼイン、サポニン、ビタミンEといった抗酸化物質も多く含まれます。
以上のようなみその健康効果を得るには、毎日少なくとも1回はみそを取りたいものです。どんな取り方でも構いませんが、最も手軽なのは、やはり、みそ汁でしょう。
その際、具には腸内細菌のエサとなる食物繊維が豊富な野菜や海藻、キノコをたっぷり入れると、さらに効果的です。みそを選ぶときは、できれば殺菌されていない、そして十分に熟成させた製品を選ぶと、より高い効果が期待できます。
通常、みそ専門店のみそは、十分に熟成させてあります。また、スーパーマーケットで売られているものでも、できるだけ「熟成」と記されているものを選ぶとよいでしょう。もちろん、それ以外のみそでも一定の効果は得られますので、あまり難しく考えず、まずは毎日、みそ汁を飲むことから始めることでしょう。