血糖値の上昇を抑え糖尿病や肥満を予防

味噌が体に与えるよい作用

放射線の防御にも味噌汁が効果

排便が促され腸内がキレイになる

みそには、さまざまな健康効果があります。まず、みそに含まれるメラノイジンには、腸内環境を改善し、善玉菌の勢力が強い良好な腸内環境をつくる働きがあるといいます。

メラノイジン入りのエサを与えたラットの腸内では、善玉菌の代表格である乳酸菌の数が数十倍に増え、腸の粘膜組織の再生も活性化し、元気で若々しい状態になりました。

また、普通のエサのラットでは腸内にエサが48時間留まっていたのに対し、メラノイジンが5%含まれたエサを食べたラットでは排便が活発になり、エサの腸内滞留時間が4分の3に短縮されました。

腸内に便が長く滞ると、発ガン性物質などの毒素や老廃物が腸管から再吸収され、体の中をめぐることになります。みそを毎日取ると、それだけで腸内をきれいにするデトックス(毒出し)効果が得られるということが知られています。

腸には、体内の自律神経の4~6割が集中しており、腸は免疫力に深く関係しています。 体調や免疫力などの改善も腸が大きく関係しています。

福岡県のある幼稚園では、給食に味噌汁を出すようにしたら子供の低体温の症状が改善しました。毎日の味噌汁が自律神経や免疫の不調の改善に役立ったということです。

さらにメラノイジンには、食べ物の消化速度を遅くする効果もあります。これは、糖尿病や肥満の予防につながります。

食べ物の消化吸収が早すぎると、食後に血糖値が急上昇するため血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓に負担がかかってしまいます。これが肥満や糖尿病の原因です。

さらに味噌の原料である大豆タンパクには血液中の総コレステロールや中性脂肪を減らす作用があることも確認されています。

味噌は塩分が多いのにどうして血圧があがらないのでしょうか?こういう疑問が世界で注目されています。

その理由の1つは、日本人が食べる塩分は、食塩そのものよりも、みそやしょうゆなどの発酵食品から塩分を多く取っているためと考えられます。

みその塩分は、発酵と熟成の過程で、異なる作用をするものに変化していると推測されます。実際、私たちが行った研究でも、適度に発酵・熟成が進んだみそのほうが、高い効果が確認されました。塩の角が取れて味がまろやかになり、熟成によって旨味が増した状態のみそが、健康効果も高いのです。

ご飯と味噌汁をあらためて見直す

「ごはんとみそ汁」を中心とした食事は、おのずと野菜や豆類・海藻類、魚介類などが多くなり、栄養バランスが整った献立になります。みその力は、古くから「みそ汁は医者殺し」「みそ汁は不老長寿の薬」など、多くのことわざで言い伝えられてきました。皆さんもぜひ、みそ汁を毎日取って、ごはんとみそ汁を中心とした和食のよさを見直していただきたいと願っています。

大腸ガンや乳がんなどは味噌汁を飲むことで今後、減らせる可能性があります。

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