ビタミンCの上手な摂り方

ビタミンCを上手に摂取する方法

含有量の多いものを選ぶことと大事なポイントがあります

ビタミンCを上手に摂取する方法

ビタミンC は、損失されやすいデリケートな栄養素で、たくさん含まれる食品でも時間の経過とともにその量は減少し、調理によっても大量に損失します。食材の選び方、調理法、保存のポイントをしっかり押さえて、賢く摂るのがポイントです。

購入

旬の野菜を選ぶ

野菜売り場には、1年中さまざまな野菜が並んでいます。しかし、含まれるビタミンC 量は季節によって変動があり、旬のものに多めに含まれます。
たとえばトマト、ピーマン、きゅうり、レタスは、冬のものより、夏の露地栽培のもののほうが多めです。

また、ほうれん草のビタミンCは、旬の冬どりは100g当たり60mgですが、夏どりは20mg。3分の1しかありません。旬の野菜を食べることがビタミンCを摂取する大事なポイントです。

なるべく完熟ものを

野菜に含まれるビタミンCなどの栄養素は光合成で作られるので、なるべく完熟させて収穫したものを選びましょう。光を充分に浴びないうちに収穫されて輸送中に追熟させたものは、含まれるビタミンCは少なめです。

たとえば、普通のトマトは一般的に多少未熟なうちに収穫して出荷されますが、ミニトマトは品種が異なり、完熟してから収穫されます。そのため、ビタミンCは100g 当たり32mgで、2倍以上になります。

冷凍野菜も活用できる

冷凍野菜は、日光を充分に浴びて栄養成分がピークになる旬に収穫し、加工されたものがほとんどです。

冷凍中はビタミンCの損失がほとんどないので、野菜によっては生より多いものもあります。

冷凍の根豆、グリーンピース、にんじんのビタミンCは、生とほぼ同じかやや多めです。なお、冷凍野菜のビタミンC は解凍時に水分とともに流出しやすいため、手早く調理を。

調理

ゆでるより炒める

ビタミンCは、水に溶け出す、熟に弱い、空気に触れると酸化するなどの性質があり、調理によって損失しやすいもの。失われる量は調理法によって違います。
野菜を同じ5分間、ゆでた場合と妙めた場合では、多くの野菜はゆでるとビタミンCが約半分に(かぼちゃなど、でんぷんの多い野菜は除く)。妙めた場合失われる量は20% 前後で、損失は少なくなります。

ゆでるときは短時間で

ほうれん革などの葉もの野菜は、ゆでる時間でビタミンCの流出量が大きく遣います。

1分ゆでると約25% 、3分では半分以上がなくなるので、時間はなるべく短くするのがポイントです。

そのためには、たっぷりの湯で少量ずつゆでること。短時間で火が通ります。鍋にたくさんの野菜を入れてしまうと長時間火を通さないといけないことになります。また、ゆでたあと水にさらす場合も、流出を減らすために手早くすることが肝心です。

調理後すぐに食べる

ビタミンCは空気に触れると失われるため、刻んだりすりおろしたりすると、時間の経過とともにビタミンCが減少します。

大根おろしの場合、すりおろして5分後の残存率は90%なのに対して、2時間後には約半分に。大根は食べる直前にすりおろして最初に食べるようにするといいでしょう。

酢やレモンで破壊を防ぐ

ビタミンCは酸性で安定する性質があるので、料理に酢を使うとビタミC の破壊が抑えられ、効率よくとれます。

酢はドレッシングや酢のものの調味料として使うだけでなく、たとえば、野菜サラダの下味として使っても。また、レモンなどの柑橘類の絞り汁にも同様の効果が。風味がよく、また季節感の演出にもなります。

吸収をよくするものと一緒に

柑橘類の果皮に含まれているヘスペリジン(ビタミンPの一種)には、ビタミンCの吸収を助け、毛細血管を丈夫にする働きがあります。みかんやゆずなどは、果皮も上手に料理に使うといいでしょう。

冬場は、果皮と実がまるごと食べられるきんかんもおすすめです。食後のデザートなどに利用するといいでしょう。また、そばやそば粉などに含まれるルチンもヘスペリジンの仲間。そばに野菜のおかずや食後の果物を添えて、組み合わせをひと工夫してみましょう。

保存

冷蔵庫で保存

野菜や果物は、収穫後も自分の栄養分を消費しながら呼吸しているので、時間がたつほどビタミンCも減少します。
しかし、低温で保存すると呼吸量は抑えられるため、冷蔵したほうがビタミンCの損失が少なくなります。ただし、なかには冷蔵庫では温度が低すぎて細胞が傷つき、低温障害を起こすものもあります。

野菜では玉ねぎ、なす、かぼちゃ(カットしていないもの)、果物ではバナナ、パパイア、メロン、パイナップル、いも類ではじゃがいも、さつまいもは低温が苦手。風通しのよい冷暗所に置くようにしましょう。

カットするよりも丸ごと保存

ビタミンCは、細胞が傷つくと破壊が進みます。たとえばキャベツの場合、せん切切りにするととたんにピタミンCが減りはじめ、2日後には約10%、7日後には約20% が減ってしまいます。

一方、まるごと保存すると、ビタミンC の量はほとんど変わりません。野菜はできるだけカットせずに保存しましょう。また、市販のカット野菜はすぐに使えて便利ですが、切ってから時間が経過しているものはビタミンCがかなり減っていることも。気をつけましょう。

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