1日1杯の味噌汁は高血圧を予防し心不全のリスクを軽減

味噌をもっと健康に活用するためのアイデアや知識

1日1杯の味噌汁は高血圧を予防し心不全のリスクを軽減

味噌汁の塩害も1日1杯なら効果的に働く

ラットを使った実験で味噌の減塩効果を確認

高血圧には、食塩の摂取量が多くなると血圧が上がる「食塩感受性高血圧」と、摂取量を増減しても血圧の変化が少ない「抵抗性高血圧」があります。

日本人の場合、高血圧の人の50~60%が、食塩感受性高血圧といわれます。この高血圧は、もう一方のタイプに比べて、脳卒中や腎臓病などの臓器障害の発症率が高いので、問題視されています。

減塩を成功させる5原則などは真剣に取り組むとかなりの減塩効果があるでしょう。

厚生労働省では食塩の摂取量の基準を、健康な男性で1日9g未満、女性で7.55g未満と定めています。日本人の食塩摂取量は近年かなり減少してはいるものの、男性で1日平均11.4g、女性で9.6gと、まだ基準よりも多いのが現状です。高血圧が心配な人や健康に気を使う人は特に、塩分の多い食品を控えるよう注意していることも、多いと思います。

味噌はしょうゆと並び目本人の食事が塩分過多に要因になる1つとされてきました。男性で1日9g未満、女性で7.6g未満と定めています。日本人の食塩摂取量は近年かなり減少してはいるものの、男性で1日平均11.4g、女性で9・6gと、まだ基準よりも多いのが現状です。高血圧が心配な人や健康に気を使う人は特に、塩分の多い食品を控えるよう注意していることも、多いでしょう。

しかし、大豆の発酵食品やるみそには、さまざまなよい成分が含まれています。また、味噌に含まれる食塩は、本当に血液に悪影響を及ぼすのか詳しく調べた報告はありませんでした。

そこで人の食塩感受性高血圧と同じように食塩を与えると血圧が上昇するラットを用いて実験を行いました。

塩分濃度1.3%の味噌汁を2ヶ月飲ませたラットと同じ濃度の食塩水を飲ませたラットを比較します。どちらのグループのラットも日を追うにつれて次第に血圧が上がっていきました。しかし、味噌汁を飲んだラットの血圧は、食塩水のラットの血圧を常に下回っていました。そして、実験終了時のラ.ツトの血圧を比較すると、みそ汁を飲んだラットは合計で約48gの食塩を摂取したにもかかわらず、食塩水のラットが32gの食塩を摂取したときの血圧とほぼ同じだったのです。

血圧に及ぼす影響で見ると、同量の食塩を取る場合と比較して、みそには釣30%の「減塩効果」があるといえます。つまり、約30%分の減塩に相当する、血圧下降効果があるというわけです。

1日2~3杯程度なら問題なし

こうした減塩効果がもたらされた理由の2つに、みそ汁は同じ濃度の食塩水よりも利尿作用(尿の出をよくする働き)が強いことが挙げられます。

みそ汁を飲んだラットのほうが尿の出がよくなったため、腎臓から水分と塩分の両方が体外に排出されて、血圧の上昇が抑えられたと考えられます。

実験終了後、ラットを解剖して心臓の状態を調べました。すると、心臓の筋肉細胞が硬くなってしまう「線維化」という現象が、みそ汁を飲んだラットでは進行が抑えられていることがわかったのです。これは、高血圧による心不全など心臓の障害を抑制することを意味します。

これらの実験から、みそ汁は食塩水に比べて高血圧になりにくいこと、腎臓や心臓の障害が起こりにくいことが、明らかになりました。

この実験から「みそ汁は1日3杯程度であれば、血圧との問に一定の関係は見られない」と結論づけました。ただし、みそ汁を1日2~3杯以上飲む人たちは、たんばく質や脂質、食塩など、すべての栄養素が過剰気味の傾向が見られました。
これは、みそ汁を多く飲むような食習慣の人たちは、毎食しっかり食べていて、食事の全体量が多くなりがちなことが影響していると考えられます。栄養過多になりがちな現代の日本人にとっては、1日1~2杯みそ汁を飲むような食事が、栄養素的にもバランスの取れた献立になると思います。

味噌の歴史と7つの食効 | パワー

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